医学部へ進学した卒業生のメッセージ
医学部医学科への進学を希望する入学者向けリーフレットに寄稿いただいた卒業生メッセージの全文です
医学部医学科への進学を希望する入学者向けリーフレットに寄稿いただいた卒業生メッセージの全文です
※卒業生の生の声をお伝えしたく、寄稿いただいた文章をほぼそのまま掲載している関係で、高校在学中に実施していた試験の名称や推薦のシステム、奨学金等は現在と違うものもあります。医学部への推薦について詳しい説明を聞きたい方は、学校説明会等で個別面談をご希望ください(医学部進学について詳しい話を聞きたいとお申し出ください)。

2003年度卒業
長松裕史 様
みなさん、こんにちは。医学部進学を考える中学生及び保護者の皆さまに、私自身の体験を交えながら市原望洋高校の魅力をご紹介させていただきます。
私は、2004 年 3 月に東海大学付属望洋高等学校(現 東海大学付属市原望洋高等学校)を卒業し、翌 4 月に東海大学医学部医学科へ進学いたしました。医学部 6 年間の学生生活を経て医師免許を取得し、現在は医学部教員及び循環器専門医として大学病院に勤務しています。
こんな私ですが、中学生の頃の成績はお世辞にも良いとは言えず、当時の進路指導教諭を悩ませていました。当然ながら医学部進学という気持ちもなく、高校進学後に将来の夢を決めようと漠然と考えていました。そして縁あって、望洋高校へ進学することになりました。
高校生になると活動範囲が広がって自分の好きなことができるようになる反面、自己責任が生じることも実感しました。「こども」と「おとな」の境目であり、大人を意識するようになったことで、中学生よりも高校生の方が勉学に励んだと思います。そして高校 2 年生の秋、学年主任の先生から医学部進学を勧められたことが『医学の道』へ入門するキッカケになりました。親戚に薬剤師がいることや医薬関係の職業を意識していたことも相重なって、内部進学を利用した東海大学医学部への進学を志すようになりました。
医学部進学に際して心配したことは『勉強面』と『金銭面』の2つでした。まず勉強面について、大学進学後の医学部授業についていけるかという不安が大きくありました。確かに周りは医学部受験を勝ち抜いてきた猛者たちであり、入学当初は内部進学者と比べて圧倒的に知識量に差を感じました。しかし受験勉強というのは高校授業に基礎応用を混ぜて競う試合のようなものです。医学部の授業は高校授業の延長ではなく、『医学』という新たな学問を学ぶ場所になります。医学においては皆が素人であり、故にスタートラインは一緒なのです。最初は内部進学者の方が苦労を感じることが多いかもしれませんが、新たな学問を新たな仲間と勉強するということは『個(自分)との闘い』であり、情報共有をしながら授業や試験勉強に臨むことになります。そのため進級するごとに内部進学者と一般入試者との差はなくなっていくため、勉強面で極端に心配する必要性はないと思います。
また、金銭面については保護者の皆さまの方が戦々恐々とされていると思います。私が父へ東海大学医学部への進路相談をした時も、金銭面で家族会議が開催されました。過去を振り返り、現在の私が保護者の皆さまに助言させて頂くならば『もしお子さんが医学部進学の夢をお持ちであれば、少しでも選択肢は残しておいてあげてほしい。』ということです。近年の少子化問題で学部定員割れの報道もございますが、医学部医学科においては安定的な人気であり、絶対的に全て成績で判断されます。人に優しい子、コミュニケーション能力の高い子、想像力が優れている子であったとしても、成績が悪いという理由だけで医学科には入学できないのです。実際の医学部医学科では現役生から 2 浪生の層が多く在籍しています。浪人経験者によると、浪人によって得られる貴重な経験も多くあるようですが、私は医学部医学科へ早く入学することよりも優れている経験だとは思っていません。早く医学部医学科へ進学して卒業し、医師として社会貢献していくことの方が『三方よし(本人・家族・社会)』ではないでしょうか。
東海大学の付属高校内部進学システムは、高校生が高校生らしい生活を過ごし、受験勉強だけに囚われず、あらゆることを経験しながら大学進学を目指すことができる進学手段の1つだと思っています。特に医学部医学科への進学を目指せるというのは、16-18 歳の貴重な青春期間を受験勉強だけで過ごすのではなく、教養や人間力を高めることに繋がり、ヒトの分野を生業にする職種にとっては貴重な時間と言えると思います。
最後に、医学部へ進学し、あなたが医師として大切にすべきことは何でしょうか。豊かな医学知識、最先端の技術も大切だと思います。しかし、私は圧倒的に『コミュニケーション能力』であると考えています。医学部に入学できる人は並以上の成績を収め、要領よく物事をこなす能力に長けていることでしょう。しかし医業には患者さんが存在します。患者さんはヒトであり、感情を持つ同じ人間です。相手のことを理解し、尊重し、そしてその人にとって最善と思われる医療を提供する職業が医師だと思っています。患者さんを理解することも、尊重することも、その人にとって最善と思われる医療を提供することも、全てにおいて必ずコミュニケーションが発生します。受験勉強で成績が良くても、これら全てを問題なく完結させることはできません。そして、そのコミュニケーション能力が飛躍的に向上をみせるのは中学生・高校生の時期であると考えています。皆さんが過ごすこの時期に養われるコミュニケーション能力は将来の自分の財産であり、故に受験勉強だけを考えて高校生活に時間を費やすのはもったいないと思います。
東海大学付属市原望洋高校は高校大学一貫で対応することができ、高校生のあるべき姿を尊重し、そして総合大学を生かして様々な専門へ導くことができる学校です。特に内部進学を活用して、貴重な今この時間を謳歌しながら、最短で医学部進学を狙うこともできるエントランスであるとも考えられます。私が常日頃思うことですが、世間では『運も才能のうち』と言われますが、運は自分の実力でコントロールできると考えています。素敵な未来を想像しながら、自分の夢を叶えてください!
東海大学医学部付属八王子病院
医学博士・循環器専門医 長松裕史

2004年度卒業
堀江義明 様
東海大学付属望洋高等学校および、東海大学医学部医学科への御進学をご検討されていらっしゃる皆さま、ならびにご父兄の方へ。
初めまして。堀江義明と申します。私は、2005年に東海大学付属望洋高校を卒業後、東海大学医学部を経て、医師になりました。略歴として、東海大学医学部医学科へ付属校推薦で進学後、医師国家試験に現役で合格。医師になり、2年間のインターンを経て、医師3年目に創業者として自身の医院を開院。その3年後、全国に拡張した10院すべてを、M&Aで事業売却致しました。現在は、日本、欧州および中東でコンサルティングの法人を経営する傍ら、南アフリカにおいて、私の名を冠した学校を設立し、教育支援、雇用機会の創造を通じ、貧困削減ならびに次世代を担う子ども達への社会貢献に努めております。
ここからの私の拙筆が、皆さまの大切な進路を決める一助となれば幸いです。
少しだけ昔話をさせてください。医師としてキャリアをスタートさせた私ですが、そもそも、望洋高校へはバスケットボールのスポーツ推薦で入学させて頂きました。中学生の頃には、試験では平均点を目指していた私が、今では医師となっていることは、おかしくも、人間万事塞翁が馬だと思っております。入学後、東海大学の創設者であられる松前重義先生の、「建学の精神」に深く感銘を受け、奮起一番に文武両道を掲げました。勉学の甲斐もあり、1年次の最初の試験において、私は学年で3番となることができました。また、学年主任の先生から背中を押して頂けたこともあり、兼ねてより興味のあった医学部を志すようになったのです。その後は、医学部進学の目標と並行して、バスケットボール部においては、2年次より拝命された主将の任を一心不乱に務めました。部活と勉強という、二足の草鞋を実現可能にしたのが、付属校の最大の魅力である、高大一貫教育であったと感じております。付属推薦を前提に学校カリキュラムが組まれているため、週6日の部活動の他、学校行事や課外活動にも精力的に取り組むことが叶い、充実した、華のある高校生活を送ることができました。また、この高校3年間の濃密な時間が、私の医師として、また一人の人間としての人格形成にとても大切な肥やしとなりました。
学力の向上のみならば、高名な塾や鉄人と呼ばれる家庭教師に従事するなど、方法は多岐に渡ります。しかしながら、それには多大なコストがかかる事に加えて、将来医師となり、医療人として王道を歩まれる皆さまの人生から逆算すると、誠に大切なものが見落とされる危険性があると考えます。私が言うには、高校3年間という、有限の時間の中で真に育むべきは、人生100年時代において、未曽有のパンデミックや、未だ見ぬ災害に見舞われた際にでも、力強く柔軟に、自己理解と他者理解を持った、想像力に富む「人間力」であります。この多感な時期にこそ、いかに心を燃やし、成長させ、叡智を養うことができるかが、後に医師として人生を歩む皆さまにおかれましては、ある意味において学力の向上よりも重要となるのではないでしょうか。私が青春を捧げた部活動。3年間、苦楽を共にした仲間と聞く、試合終了のホイッスル。体育祭での、血沸き肉踊る、男子総出の棒倒し。文化祭での、クラス一丸となって創作したジェットコースター。卒業式では、光栄にも答辞のご下命を賜り、母子家庭ながら、海よりも深い愛情で育ててくれた母に、最大の親孝行をすることができました。瞼を閉じれば、今でも学校生活の1コマ1コマが、まさに息遣いまで色鮮やかに蘇ります。
関連して、私の記憶に深く、深く、刻まれていることがあります。東海大学の付属校は幾多ありますが、望洋高校の生徒で良かったと、心の琴線に触れた出来事です。医学部進学の入学試験面接の時のことでした。大学の面接官から「担任の先生からの推薦文が、枠をはみ出して裏面にまでびっしりと書かれているよ。素晴らしいことだね」と、声をかけて頂きました。担任の先生の情熱が真に心強く、温かい自己肯定感が育まれ、何よりの幸甚の至りでした。この場をお借りして、厚く、御礼申し上げます。
私は、学校教育とは「教わる人」と、「教える人」の両者がいて初めて成り立つものだと理解しております。わが母校、望洋高校には、建学の精神を基盤にしながらも、勉学の枠を超え、問題を探求し、思考し、解決するといった、人生における活きた智慧を養うことに長けた、リーダーシップ溢れる先生方が多数いらっしゃいます。勉強でも人間関係でも、悩み苦しむことがあれば、思い切ってぶつかっていけば、きっと、時にやさしく、また時に激しく、一人一人に合わせた方法で、熱心に受け止めてくれることでしょう。現在、AIを中心とするソフトウェアが世界を席巻しておりますが、学校生活においては、AIにいくら聞いても解決できない、人間味あふれる事象の数々が巻き起こることと思います。その一つ一つの事象を、生徒と先生が、相互理解を繰り返しながら解決していく過程で、すべてが血となり肉となり体得され、健やかなる人格形成へ繋がっていくと思っております。
医師という仕事も、人が人を「診る」ことで成立します。病をみるのではなく、人を診るのです。AIを活用して病名を特定し、適切な処方ができたとしても、最終的に患者さんを診て、寄り添い、またそのご家族にも温かい声をかけてあげられるのは、人である皆さまなのです。私は、東海大学より授かった、「名医より良医たれ」の金言を胸に抱き、太陽の下、誰にも後ろ指をさされることのない医療人となるべく、ここまで精進して参りました。これから医師として人生を歩まれる皆さまに、最後に一言。是非とも、望洋高校の快適で豊かな環境のもと、充実した高校生活を送ることで、己という“人”を育み、“人”を診ることによって、心から「ありがとう。」と言われるような、素敵な、素敵な、医師になってください。自分で自分の可能性を決めつけずに、挑戦こそ我が人生と、一生懸命に、後悔のないように頑張ってください。私がそうであったように、人生は、成せばなるのです。皆さまより、ちょっとだけ先を歩む先輩として、いつでも応援しております。
堀江義明 拝
2024年4月11日 20時58分35秒
当時、国語の教鞭を執られていた先生から、日付、時間そして秒数まで記載することで、己の命を刻むことの大切さを教えて頂きました。

2004年度卒業
仁藤まどか 様
これから東海大学付属市原望洋高等学校への入学を検討されている皆様へ、少しでもご参考にしていただければと思います。
私が高校を受験するにあたり重要視したのは、将来への選択肢の多さでした。家族に医療関係者はいましたが、私自身当初は全く医療の道へ進む意思はなく、正直勉強も嫌いでした。ですので、大学に行くにしても多くの学部のある、受験勉強もしなくて良いように付属高校に、と考えた結果志望校を決定することとなりました。入学後は高校生活を満喫しつつ、付属高校ならではの勉強や研究の機会をいただき、恩師の勧めもあり高校2年の時に医学部への進学を決めました。
医学部入学後は一般入学や他の付属校より学力もなく、大変な毎日が始まりました。それでも友人や周りに助けられ、特に同じ悩みを経験した付属の先輩方に支えになってもらいながら卒業を迎えられました。医師になっても付属の繋がりで連絡を取り合うことも続いています。
医学部では色々な経緯で来られた人がいますが、私自身は高校生活を三年間充実させつつ、少しでも早く医師の道を歩めたことがよかったと思っています。医師の仕事は体力が必要であったり、勉学より経験が必要なことも多い世界です。私は呼吸器外科を経て、大学院を卒業し、結婚出産を機に検診医として予防医学に貢献できるよう日々診療にあたっています。
これからの道を迷っている人も、高校に入ってから将来を考えても良いと思います。そのために付属高校が時間を有する手立てであることは間違いありません。皆さんが同じ道に立ってくれることを楽しみに待っています。

2004年度卒業
髙橋雄一 様
医学部への付属推薦では、学業成績だけでなく、高校生活における成長や課外活動など、多角的な評価が行われました。人物評価が含まれ、より広範な観点からの選考が受けられる点が私には魅力的でした。また、医学部に進学した望洋高校の先輩から、医学部進学に向けた勉強方法や、医学部の適性検査では、どのような面接があったかなどの話も聞けたのも助かりました。
付属推薦を通じて早期に入学が決まることで、本人や家族の新生活準備や心理的負担が軽減されました。総合診療科の医師として今振り返ると、このことにより、入学後の燃え尽き症候群(バーンアウト)のリスクも低くなっていたと考えられます。早期に合格が確定することで、心と時間にゆとりができ、趣味に没頭する時間も、医学の事前学習の時間も確保できました。
どこの医学部に入学しても医師免許証の価値に違いはなく、医師としての価値は、その人自身がどう生きてきたかが重要と感じています。受験勉強にとらわれず、充実した高校生活を送れたことも、私の重要な人間形成の一因になっています。医師である前に人として大切なことを身につけることは、将来、医師キャリアに加えて、留学や語学研修、ボランティアなどの自己研鑽を育む機会も広がると感じています。
順天堂大学医学部
総合診療科
髙橋 雄一

2008年度卒業
齋藤成実 夫妻
初めまして。2009年に東海大学付属望洋高等学校を卒業した齋藤成実(旧姓:冲津)です。
私は歯科医師である父の姿を見て育ち、将来は漠然と歯学部へ行こうかな。くらいの気持ちでいました。高校へ入学してから進路について考えた時、東海大学には歯学部がなく医学部があることを知りました。担任の先生や親の後押しもあり、目指せるものは目指してみようと思い高校2年生を前に医学部への進学を真剣に考えました。まず目先の学園統一テストで上位を取ることを目標に予備校に通い、なんとか東海大学医学部への推薦を頂き、無事に合格することが出来ました。
入学してからは、一般受験で入学した人達との学力の差は歴然でしたが、多くの友人の助けと努力の甲斐あり医師国家試験に合格することが出来ました。現在私は東海大学病院皮膚科に入局し、働いています。2023年には目標にしていた皮膚科専門医試験に合格し、今年度より皮膚科専門医として働くことができ充実した日々を過ごしています。今の目標は皮膚疾患で悩むより多くの人を治すことです。
東海大学付属市原望洋高校は数年前からスーパー特進コースが開設され、以前よりもより医学部を目指しやすい環境になっているのかなと思います。また通学の面でも、バスの利便性が高く当時遠方のため部活動を諦めた私からすると部活動をしながらしっかり勉強も出来る羨ましい環境です。
医学部の勉強は決して楽ではないですし、何度も乗り越えなければならない試練もありますが、一緒に乗り越えてきた友人は一生ものです。ぜひ東海大学医学部を目指してください。伊勢原でお会い出来る日を楽しみにしています。
2017年度卒業 石井花霞 様 より寄稿
2018年度に東海大学付属市原望洋高等学校を卒業し、現在初期研修医1年目として働いております。高校在学中は、陸上競技部に所属し部活動と勉強の両立を頑張りました。付属推薦で大事な試験は、基礎学力試験というものです。この試験は高校の授業をしっかりと聞いて、定期テストの勉強をしっかりと行えば十分対策できます。ですので、在学中は部活動を思っ切りやる時間的、精神的余裕がありました。また、基礎学力試験は3年生の4月にあるため、最後の総体に全力で臨むことができます。他の付属校出身の方ですが高校3年生の時に短期留学に行った友人もいます。
付属推薦で入学した人と一般受験で入学した人では、学力の差はかなりあります。しかし、医学部の授業では全員が同じ基礎から人体について学ぶため、付属生も一般生も覚えるべきことの量の多さに苦労しながら勉強をします。付属生でも医学部の試験で上位に入る人もいます。
私は、スポーツドクターになりたいと思ったことが医学部を志したきっかけの一つです。大学で座学を学んだり、臨床実習を終えた現在も変わらない目標です。付属推薦だったからこそ、高校在学中に部活動を全力ででき一生スポーツに関わりたいと思えたと思います。医学は日進月歩で進んでいくため、医師を続けていく限り研鑽をし続けなければいけません。またプレッシャーも強く感じたり、大変なことが多い職業でありますが、患者さんの病態が良くなって退院をする姿を見たり、お礼を言われるとまだまだ力不足ではありますが勉強を頑張ってきてよかったと思います。これからも日々精進し、地域医療に貢献できる医師になれるように努力していきます。

2018年度卒業
髙橋美悠 様
(東海大学のドクターヘリに搭乗)
こんにちは、医学部6年の高橋美悠です。私は2016年に望洋高校に入学しバレー部に所属していました。
これから受験、医学部入学後の学業、特進クラス、部活動という4つの項目について書いていきます。
まず受験についてです。私の妹は他の高校から一般受験で現役で医学部へ進学しており、身近で受験について見ていたため他の人より一般受験と付属推薦の比較ができると思うので2つの違いについて述べたいと思います。
まず1つ目に進路の決定の時期についてです。
付属推薦では統一試験が4月、医学部の個別試験が6月にあり合格発表が夏休み前にあります。一般受験では早い学校でも合格発表が2月以降となっています。
また補欠合格での合格だと4月に入ってから繰り上げがある場合もあります。早く進学が決まっていればアパートを探す時間など進学準備を余裕を持って行えます。
2つ目は費用についてです。
付属推薦では受験費用がかかりません。また入学金が半額、350番以内だと奨学金として25万円が大学側からいただけます。一般受験では私立医の受験料は1校6万円で、正規合格した場合、大学によりますが抑えとして入学金の半額を振り込む必要があります。その他にも予備校に通わなくていいなど付属推薦では金銭的なメリットが多いと感じます。
次は医学部入学後についてです。私自身もそうでしたが、私の周りでも付属推薦で入ったから医学部の勉強についていけるか心配だと言っていた仲間がいましたので、その心配について。
少し現実的な話になってしまいますが、私たちの学年は入学時に120人いてそのうちの40人程度が留年しています。付属推薦で入学して留年してしまった子もいますが一般受験で入学しても留年してしまう子もいます。その逆で付属推薦で入学しても学年トップ層の子もいます。大学に入ってからの勉強は高校までの勉強と全く違うので一般受験していないからといった心配はいらないと思います。実際に学年主任の先生も付属の子たちは素直に先生の話を聞くから最終的には上位で卒業する子が多いと言っていました。
続いて望洋高校で在学していた特進クラスについてです。
特進クラスはクラス替えがありません。校外学習、体育祭、建学祭、日々の授業と3年間楽しい時も、大変な時も同じメンバーで生活します。そのため卒業するときはすごく深い絆ができています。私たちは卒業後6年近く経っていますがいまだに先生を含めてみんなで集まったり、連絡を取り合ったりとすごく仲がいいです。私は名前がカッコいいからという軽いノリで特進クラスを受験しましたが、すごく素敵な仲間、先生に出会えてとても濃い3年間が過ごせて本当に特進クラスを選んでよかったなと思っています。
最後に部活動との両立についてです。
部活動や学校のイベントと勉強の両立について悩んだりすると思います。私は小学生からバレーボールをしていて、望洋高校でバレーがしたくてら入学しました。そのため勉強をメインでやるというより部活動を軸として高校生活を送りたいと考えていました。また学校から自宅も遠かったため、自宅で勉強する時間はあまりありませんでした。部活動や学校のイベントは高校生の時にしか味わえない楽しみだと思います。私は授業中にしっかり集中して学習しその他の時間は部活動や学校のイベントなど自分がやりたいと思ったことを全力で楽しみました。
医学部の最終学年になり高校生活を振り返ると家族、仲間、先生などたくさんの人と関わり支えてもらったなと感じると共に、高校の3年間はその後の人生を変えるとても大事な時期だったなと思いました。皆さんの望洋高校での3年間が自分が思い描く未来へ進む良い時間になることを願っています。

2019年度卒業
岡澤奈美 様
私は,医学部進学を前提に東海大学付属市原望洋高校(以下.望洋高校)への進学を決めました。私が望洋高校を知ったのは,中学3年生の春でした。小学生の頃から医師になりたいと思っており,それまでは公立高校に通って一般受験で医学部に進学しようと考えていました。中学3年生の時,併願校を決めるために何校か見学した高校のうちの1つが望洋高校でした。私立高校を単願受験するなんて1ミリも考えていませんでしたが,当時の教頭先生のお話を聞いて考えが変わりました。「受験をせずに医学部に行ける。」「高校生活を勉強一色にする必要はない。」といった旨のお話で,医学部に行きたいと思いながらも,高校生活のほとんどを勉強に費やすことに迷いを感じていた私に,新たな選択肢が与えられた気がしました。望洋高校の見学を終える頃には,私の心は完全に「“望洋高校単願受験”,そして“東海大学医学部への内部進学”」で固まっていました。その後,私は,望洋高校スーパー特進コースに入学し,無事東海大学医学部への進学を果たし,現在東海大学医学部医学科5年生として臨床実習に励んでいます。
付属で医学部に行けるメリットとして1番大きいのが,一般的な大学受験の勉強をしなくて良いことだと思います。一般受験での医学部進学を考えた時,高校1年生から塾に通い始めて,高校3年生になれば1日10〜12時間勉強するのが一般的だと思います。また,それでも合格できず浪人する人も多くいます。それに伴って予備校代や教材費など金銭的な負担が増えることはもちろん,膨大な勉強量をこなさなければならないため部活や趣味などに割ける時間もなくなっていきます。しかし,付属高校からであれば,そのような勉強漬けの高校生活を送らなくても医学部に進学することができます。高校時代,私は射撃部とクッキング部に所属していました。射撃部では実弾(エアーライフル)の免許を取得し,普通ではなかなかできない経験を積むことができました。クッキング部では副部長を務めており,3年生秋の文化祭では手作りお菓子の販売を行い,卒業ギリギリまで部活動を楽しむことができました。また,勉強に多くの時間を割く必要がなかったので,放課後や休日は趣味に多くの時間を割くことができました。おかげで,とても充実した3年間を送ることができましたし,その時の思い出や楽しかったこと,経験できたことがあるからこそ,今やらなければいけないことに追われ,自分の時間がなかなかうまく作れない中でも,頑張れているのではないかなと思っています。
しかしながら、付属生と一般受験で入学してきた子達の間では,入学時,明らかな学力差があるのも事実です。医学部に入学すると,倍率何十倍の受験を勝ち抜いてきた子たちと肩を並べることになります。確かに付属生は受験勉強をしていないので,大学受験のための学力という意味では圧倒的に劣っています。しかし,それはあくまで医学部入学のために必要な学力は一般生の方が優れているという意味で,医学に関する知識や医師になるために必要な学力で劣っているという意味ではありません。医学部に入学してしまえば,一般受験で入ってきた子たちにとっても未知の世界である,医学の勉強に入ります。最初は周りがとても頭がよく見えますが,スタートラインはあくまで一緒なので特に心配する必要はないと思います。実際,私たちの学年の成績上位者には付属生の名前が多く並んでいますし,先生方からは「付属生の方が素直で飲み込みも早くて優秀な子が多い」と言われることがあります。留年していく子もいますが,付属生が多いという話は聞いたことがありませんし,付属生でも一般生でも入学してから頑張れないと留年するというだけだと思います。ですから,入学前から「付属生には入学後厳しい現実が待っているのではないか」などと考えて,心配する必要はないと思います。むしろ,付属生であることを誇りに思って,一般生に負けじと頑張っている子がほとんどです。
私は高校時代,スーパー特進コース(以下.特進コース)にいました。3年間クラスメイトも担任も変わらない中,最初の頃は他のクラスと比べ退屈だと思うこともありましたが,今振り返ると色々な面でとても良い高校生活を送れたなと思います。まず,理系科目での教師2人体制の授業がとても良かったと思います。高校時代を振り返ると,学校の授業以外で本当に勉強をしていなかったなと思います。それでも成績をキープし医学部に進学できたのは,この理系科目教師2人体制を含め,特進コースならではの様々な学習サポートがあったからだと思います。特進コース自体が約20人と少人数で,かつ先生も2人いたので,わからないことがあってもすぐ質問することができ,授業内で学習を完結させることができていました。他にも,英語などは特に,授業内で扱う教材のレベルが高く,個人で勉強せずとも大学入試レベルの英語を身につけることができたと思います。総合進学コースと比べ,単純に授業時間数が多かったのも大きかったと思います。また,勉強面以外でも特進クラスで良かったことは,クラスメイトとの絆が生まれたことです。総合進学コースは毎年クラス替えがあり担任の先生も変わりますが,特進コースは同じクラスメイト,同じ担任の先生で3年間を過ごします。文化祭での出し物が年々レベルアップしていくのが実感できたり,体育祭では団結力が年々上がっていくのが実感できたりと,クラスで取り組む行事がとても楽しかったです。今でも年に1,2回クラスの皆んなでご飯を食べたり旅行に行ったりと,同窓会のようなものを開催しています。私自身は忙しく会自体には参加できないことがほとんどですが,会報のようなものを作ってくれたりする子がいて,様子を共有してもらっています。
私自身,望洋高校入学から現在まで,とても充実した日々を送ることができています。臨床実習が始まり1年弱が経過し,なんとなく将来の医師像も見え始めてきました。望洋高校特進コースに入学したこと,東海大学の医学部に進学したこと,どちらも私にとって正しい選択だったと思っています。また,勉強,部活,行事に趣味と充実した高校生活を送れたことで,現在頑張れているのも事実です。今,望洋高校特進コースに在籍している方で医学部進学を迷っている方がいれば,ぜひ自分の力を信じて挑戦してみてほしいと思います。また,医学部進学を考え,望洋高校を選択肢として考えている受験生の皆さんにも,望洋高校特進コース,またそこからの東海大学医学部への進学を胸を張ってお勧めしたいです。