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2007年度SPP&BSSP講座II〔食品〕第6回講座実施報告

Science Partnership Project & Boyo Special Science Program 2007

テーマ

「日本の食文化と科学技術 ~醸造技術と発酵技術~

第6回講座

12月14日(金)13時~16時

場所

ヒゲタ醤油株式会社銚子工場

講師

ヒゲタ醤油株式会社研究開発部長 宮内 明氏
生産本部銚子工場製成グループリーダー 西廣 隆志氏
生産本部銚子工場製成グループ 高橋 幸二氏
東京農業大学短期大学部醸造学科教授 舘 博先生

内容

「醤油の製造工程見学実習・官能評価実習」

1)製造工程実習(見学専用コース)原料、こうじ室、諸味タンク、圧搾 等

2)官能評価実習(濃口、淡口、再仕込、超特選、上級、徳用醤油)

3)プレゼンテーション実習

2007年度サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト第6回講座〔講座II:食品〕は、千葉県銚子市にあるヒゲタ醤油株式会社銚子工場で行われました。途中、理科講座B地学分野の研修で、地球の丸く見える丘展望館にて銚子の町並み、利根川河口、太平洋などの眺望見学や屏風ヶ浦の地層、正断層の観察等の実習を行ってのSPP講座となりました。

講座は、 最初に、ビデオ学習を行いました。ヒゲタ醤油の発祥の歴史や銚子の気候風土が醤油製造に適していること、醤油の製造工程、醤油を含めた日本の食文化継承としての企業の役割等を学習しました。続いて2班に分かれて、醤油の製造施設の見学実習に入りました。原料の粉砕からはじまり、こうじ室、諸味タンク、圧搾等の見学コースを回り、それぞれのポイントで担当の先生より詳しい説明を受けました。生徒達は受講ノートにしっかりとポイントを書きとめながら、普段食卓で何気なく使用している醤油ができるまでの行程を詳しく学習しました。工場内の装置などから日本の食文化や歴史、麹菌、酵母菌、乳酸菌等の微生物の重要な役割などを直に感じ取ることができ、醤油に対する見方も随分と身近なものとなったようです。

次に、官能評価実習です。原料の大豆や小麦、塩などの処理過程様子や醤油ができる途中の段階での醤油の様子を観察しました。また、濃口、淡口、再仕込み醤油の味の違いや醤油を超特選、上級、徳用とランク分けした醤油を実際に味見して、その違いを舌で感じ取る実習を行いました。また、メーカー別の醤油の味がかなり異なることも知ることができました。ほとんどの家庭で使用している醤油はメーカーが固定されており、生徒達も家庭の醤油の味が基本となっていることが多いため、醤油に対する新たな発見にもなりました。担当の方に醤油の上手な使い方のひとつとして、メーカーや味を固定するのではなく、料理の持ち味を前面に引き立てる役割を醤油が担っているので、料理の種類や組合せに応じて醤油も使い分けるのがベストとアドバイスを受けました。

今回の講座で、SPP〔講座II:食品〕はすべての学習を終わりましたが、日本の食文化に対する奥深さ、未来の食品技術について考える貴重なきっかけを得られた講座となったようです。

その他の2007年度SPP活動報告はSPP・BSSPの紹介ページをご覧ください。

次回SPP講座予告

第7回講座〔SPP&BSSP講座I・II・III:報告書作成実習〕1月実施
場所:東海大学付属市原望洋高等学校 生物実験室
内容:報告書の作成、まとめ