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2008年度SPP&BSSP講座I〔防災〕第2回講座実施報告

Science Partnership Project & Boyo Special Science Program 2008

テーマ「都市災害における防災技術と私たちの心構え」

第2回講座

9月9日(火)10時30分~16時

場所

江戸川河川事務所首都圏外郭放水路

「☆都市災害・防災と土木工学~行政が取り組む防災対策~」

講師

江戸川河川事務所 事業対策官 江口要氏、成田敏夫氏
土木学会教育企画・人材育成委員会生涯学習小委員会 末武義崇 氏 (足利工業大学教授)

内容

1.「展示説明」自然災害の増大と対策

2.「外周、内部施設、調圧水槽見学」

3.「講義」-土木のはなし:防災・環境・社会基盤など

4.「プレゼンテーション実習」 

2008年度サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(SPP)講座I〔防災〕の第2回講座が国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所首都圏外郭放水路施設で行われました。

はじめに、管理施設である龍Q館2F展示フロアに集合し、大雨による近隣地域での浸水被害の状況や第5立抗から庄和排水機場までの全長6.3kmにわたる首都圏外郭放水路を建設する過程、治水対策効果などを映像により学習しました。次に、テクノロジーBOXにて、外郭放水路が埋設されている関連地域の河川の様子、外郭放水路の構造や機能について説明を受けました。また、龍Q館屋上から江戸川河川周辺の眺望を、さらに、シールドマシン前方にある掘削機などを見学しました。 

<写真左:埼玉県中川・綾瀬川流域地図を見て 写真中央:展示施設「マイタウン・マイリバー」 写真右:調圧水槽内部>

昼食後、いよいよ講座のメインとなる調圧水槽内部に入りました。首都圏外郭放水路は、各河川から洪水を取り入れる5本の立抗から成り、その間を繋ぐ地下水路トンネルを経て、水の勢いを地下水路内で弱める調圧水槽へと進み、最終的には江戸川へ放流する排水ポンプ、排水樋菅で構成されます。調圧水槽の地上部はサッカー場ですが、地下は壮大な巨大空間が広がり、地下のパルテノン神殿を思わせるような柱が林立し、少しヒンヤリした別世界に圧倒されました。 

<写真左:調圧水槽内部 写真中央:巨大空間の前で集合写真 写真右:末武義崇教授による土木工学に関する講義>

見学後、会議室にて江口要様より首都圏外郭放水路の概要説明、末武義崇教授より「土木のはなし」と題して、土木工学とは、災害・防災と土木工学、土木工学の役割について地震・洪水・津波・落橋事故など豊富な写真や映像を用いて、わかりやすく丁寧に教えていただきました。最後に、SPP恒例となっているグループディスカッション、プレゼンテーション実習へと進み、都市災害や防災技術について学んだことまとめ発表しました。最後に、講師の方からコメントをいただきました。 

今回の講座で、都市災害を軽減する対策に最先端の科学技術が使われ、その技術が河川流域の浸水被害の軽減に大きく寄与していることを知ることができました。 

次回は、企業が取り組む防災対策について学習します。 

その他のSPP活動報告はSPP・BSSPの紹介ページをご覧ください。

次回SPP講座予告『講座I〔防災〕最終講座』

【日程】10月6日(月)
【場所】アクアライン海ほたる、清水建設株式会社技術研究所
【内容】企業が取り組む防災対策・都市災害対策と科学技術
【講師】NEXCO東日本 木更津管理事務所 所長 田中薫氏
    清水建設株式会社技術研究所主査 高木健治氏
    清水建設株式会社技術研究所総合解析技術センター 張至鎬氏 

<写真左:グループディスカッション 写真右:プレゼンテーション実習>