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2008年度SPP講座II〔食品〕第3回講座実施報告

Science Partnership Project & Boyo Special Science Program 2008

【テーマ】「日本の食文化と科学技術II ~アルコール発酵技術と私たちの健康~」

第3回講座

12月17日(水)9時30分~16時50分

場所

東洋製罐株式会社横浜工場,キリンビール株式会社横浜工場

講座(1):「食品関連技術,製缶技術,環境対策,リサイクル

講師

東洋製罐株式会社横浜工場 総務課長 園下康雄 氏(代表)

内容

講義,工場見学実習,プレゼンテーション実習

講座(2):「アルコール飲料製造技術,アルコールと健康,環境対策・リサイクル」

講師

キリンビール株式会社横浜工場生産本部 生産統轄部テクノアカデミー 古沢信之 氏(代表)

内容

工場見学実習,講義,プレゼンテーション実習

2008年度サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(SPP)講座II〔食品〕の第3回講座が東洋製罐株式会社横浜工場,キリンビール株式会社横浜工場の2ヶ所で行われました。

東洋製罐(株)横浜工場では,容器の製造技術について学習しました。はじめに,工場長よりご挨拶をいただき,工場の生産設備や製罐・PET生産ラインの説明を受けました。また,映像を通して,最先端の製罐技術を学習しました。その後,白衣に着替え,少人数グループに分かれて工場内を見学しました。店頭で見かける馴染みのある飲料缶がものすごいスピードで大量に製罐されている様子は圧巻でした。特に,「TULC缶,aTULC缶」の製罐ラインは,打抜機や製罐機の音が大きく,巨大な機械の滑らかさや高速回転しながら缶表面を印刷する印刷機の動きに感動しました。また,PETボトル製造ラインでは,射出成形機によって製造された試験管のような小さな管が,注ぎ口を結晶化した後,ブロー成形機で見慣れたPETボトルになる様子も知ることができました。プレゼンテーション実習では,事前指導で与えられた数テーマ(工場の歴史,製造工程等)の中から指定された内容をグループで討論し,それを短時間でホワイトボードにまとめる実習を行いました。工場長はじめスタッフの方々のアドバイスを受けながら発表へと進みました。生徒からは「こんな飲料缶やPETボトルがあったらいいな」という内容で「蓋のついた飲料缶が欲しい」「立体の絵柄をつけた缶があると良い」「ブランド企業とコラボレーションして欲しい」など活発な提言が行われました。最後に,「ECOLOGY 東洋製罐の環境への取り組み」としてリサイクル技術の説明と講評を工場長よりいただき,食品の容器に関する最先端の科学技術を学習することができました。飲料缶には製造企業のマークが印字されているとの事。これからは東洋製罐生まれの缶を確認することができます。

午後からは,同じ横浜市内にあるキリンビール(株)横浜工場での実習です。午前中に学習した製罐やPETボトル製造の学習を受けた流れで,今度は中身となるアルコール飲料や清涼飲料水を製造・充填する工場での学習となります。〔食品〕第1回,第2回SPP講座で学習したアルコール発酵技術の実際への応用として,ビール製造技術を学習しました。ビール製造は,大麦を発芽させた麦芽を主原料とします。大きな仕込釜で糖化を実施した後、煮沸工程でホップを加えて独特の苦味と風味を加えます。発酵タンク内部の様子等を映像で見ながら学習しました。SPP講座で学習したアルコール発酵技術の基礎が実際の製造に活かされていることを確認しました。見学の最後に,缶詰め工程やビン詰め工程の説明を受けました。講義は,アルコールと健康に関する企業の取り組み,未成年のアルコールと健康について,アルコール発酵技術,ビール製造技術について最先端の科学技術を含めながら丁寧でわかりやすい説明を受けました。また,企業が取り組む環境対策やリサイクル技術についても学習しました。ここでも,キリンビールの歴史やアルコール製造過程について討論し,プレゼンテーション実習を行いました。

今回の講座で,SPP講座II〔食品〕の日程が全て終了しました。2008年度のSPP講座も全ての講座が終わり,後は来月実施する「報告書作成実習ならび総括」のみとなりました。いままで学習してきた〔防災〕〔食品〕〔環境〕に関する様々な科学技術や企業での取り組み,その根底となる大学で行われている基礎理論や基礎研究の大切さや必要性をいろんな角度から学んできました。このSPPを受け,私たちが未来の科学技術を担う一人としてしっかりと受止めていかなければならないこと学んだ1年だったと思います。

その他のSPP活動報告はSPP・BSSPの紹介ページをご覧ください。

次回SPP講座予告『2008年度SPP報告書作成実習(最終講座)』

日程:2009年1月21日(水)
場所:東海大学付属市原望洋高等学校 2号館1階生物実験室
内容:報告書作成実習,総括