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2010年度 理科特別講座 SPP実施報告(第11回講座〔環境〕)

Science Partnership Project & Boyo Special Science Program 2010

2010年度 SPP第11回講座〔環境〕
「私たちが考える地球環境VI ~地球観測衛星を利用した画像解析技術~」

日時

10月8日(水)

場所

本校2号館4階PC実習室2

時間

11時00分~16時00分

内容

地球観測衛星画像データ処理について2

担当

JAXA筑波宇宙センター宇宙利用ミッション本部
地球観測研究センター(EORC) 大木真人 氏,主任研究員 高橋陪夫 氏
JAXA宇宙教育センター 立元 恵 氏

内容

SPP第11回講座は、陸域観測技術衛星“だいち”(ALOS)から送信されてきた衛星画像データを用いて、画像処理ソフト「Adobe Photoshop CS3」の基本的な操作の続きと処理した画像を用いて、地域環境の変化を考察しました。

冒頭、大木先生、高橋先生より大学時代の研究活動のこと、現在の仕事を選んだ理由など進路に関するアドバイスがありました。高校生にとって大変貴重なお話から本題へスタートしました。はじめに、前回(第9回講座)で学習した「Adobe Photoshop CS3」の基本的な操作の復習を行いました。約2週間前に学習したことを思い出しながら、千葉県房総半島の植物が分布している範囲を赤色で強調されて見られる画像を作成しました。“だいち”(ALOS)には近赤外線を捕らえるカメラがあり、植物は近赤外線を強く反射する性質があり、それを捕らえることで植物分布を衛星画像として得られます。“ランドサット5号”が1987年に撮影した画像と“だいち”が撮影した画像を比較しながら、地域の植物分布や河川の形状、東京湾に面した護岸の変化などを比較しました。

昼食後、グループ毎に与えられた衛星データを利用し、画像処理を行いました。衛星画像から何を調べるかを明確にし、経年変化、季節変化などポイントを絞って画像の収集、解析、グループディスカッションを行いました。どのような場所で、何について比較し、何を明確にしようとしているのかをグループのリーダーが取り纏め報告し、その後プレゼンテーションを行いました。今回のプレゼンは中間発表とし、各班がどのような視点でまとめようとしているのかを他の班や講師の先生へ伝えることを目的に行いました。

プレゼンテーションでは、経年変化で見たゴルフ場の増減、街の変遷、千葉県の北部と南部の水田地帯の変化、道路網の延長・整備、ダムの水位の変化から周辺地域の環境の変化など様々な視点に立って衛星画像を捉えた発表がなされました。講師の先生からアドバイスが班毎に与えられ、衛星画像は単なる地形図ではなく、様々な情報が画面から発信されていること、それらデータを如何に読み取れる技術を人間が持つことが大切である事を教えていただきました。

次回は、JAXA筑波宇宙センターでパワーポイントによる発表を行い、本講座〔環境〕の総括を行います。いよいよSPP〔環境〕の最後の講座となります。

その他のSPP活動報告はSPP・BSSPの紹介ページをご覧ください。

次回 SPP講座予告
SPP第12回講座〔環境〕「宇宙科学技術から考える地球環境」

日付:2010年11月5日(金)
場所:JAXA筑波宇宙センター
講師:JAXA筑波宇宙センター宇宙利用ミッション本部
   地球観測研究センター(EORC) 大木真人 氏、高橋陪夫 氏
   JAXA宇宙教育センター主任 松岡 均 氏、立元 恵 氏
内容:衛星画像データを解析している最先端の研究施設を見学し、地球環境の変遷を考察し発表します。