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2014年度 理科特別講座 BSSP実施報告(第2回講座〔環境〕)

2014年度 BSSP講座〔環境〕
「私たちが考える地球環境 ~生態系が与える影響と環境保全技術~」 

第2回講座

日時

8月21日(木)13時00分~16時00分

場所

東海大学清水キャンパス

内容

講座Ⅰ「海の健康診断 ~地球環境を理解する~」

元東海大学海洋学部海洋科学科教授 佐藤 義夫 先生(当日担当)
東海大学海洋学部海洋地球科学科教授 成田 尚史 先生(準備担当)

見学実習 東海大学社会教育センター海洋科学博物館

<写真左:佐藤先生講義 写真中央:気体の溶解実験1 写真右:気体の溶解実験2>

講座概要

大気濃度は現在も増加を続けており, 日本の観測点においても2013年の年平均値, 2014年4月の月平均値ともに, 過去最高を更新した。この大気CO 2の増加は化石燃料の消費に原因があり, これに伴って地球温暖化が確実に進行している。化石燃料の燃焼によって発生したCO 2の半分は, 大気に蓄積し大気CO 2濃度を増加させているが、残り半分は, 陸域の植生と海洋が1:2の割合で吸収しているとされている。海がCO 2を吸収すると, 海洋の酸性化が引き起こされ, いずれ海洋生物の生存にも影響を及ぼす可能性が懸念されている。一方, 沿岸域は河川から人間活動由来の栄養塩が供給されることによって, 植物プランクトンが大増殖する, いわゆる「富栄養化」が進行して, 海底付近に貧酸素水塊を形成し, 沿岸の海洋環境や生態系にも様々な影響を与えていることも知られている。
講義とCO 2やO 2が関わる実験を通して「地球環境の的確な理解」を目標に, 現在地球環境で進行しつつある「海の変化」を体感して, 地球環境に対する理解を深めた。

実習

研究テーマ 二酸化炭素の不思議
二酸化炭素CO 2と窒素N 2の水への溶解度の違いを確認し、二酸化炭素が溶解した溶液のpH変化の測定を行った。ミネラルウォーターの容器を加圧して二酸化炭素の溶解度を高めてヘンリーの法則を確認後、溶液を飲んで減圧後の気体を体感した。

博物館見学実習

東海大学社会教育センター海洋科学博物館
海洋科学博物館内に展示されている生物と環境の関係を見学することで、人の暮らしと生態系と環境との関係を考えた。

<写真左:気体の加圧実験 写真右:実験データの分析>

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