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2007年度 理科特別講座 第3回講座実施報告

Science Partnership Project & Boyo Special Science Program 2007

2007年度SPP&BSSP講座Ⅰ〔航空〕第3回講座実施報告

テーマ

「航空機のメカニズムと安全技術 ~人間と科学技術のあり様を考える~」

第2回講座

9月26日(水)10時~17時30分

場所

日本航空新整備場M1ビル(JAL広報部分室)

講師

日本航空インターナショナル:沼田 忠氏
B747-400型機長:波多野正男氏
日本航空広報部(工場見学担当):月川雅夫氏
日本航空整備部門、客室乗員部門スタッフのみなさま

内容

1)機長講話(運航乗員査察部 波多野正男機長/B747-400型機長)
2)整備場見学、整備実習
3)フライトシミュレーター見学
4)キャビンアテンダント訓練の見学および一部実習
5)非常脱出訓練の見学および一部実習
6)プレゼンテーション実習「今日の講座で学んだこと」各班発表

2007年度サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト講座Ⅰ〔航空〕の第3回講座が日本航空新整備場M1ビルJAL広報分室等で行われました。

はじめに、B747-400型機長の波多野様より国際線パイロットの運航業務の流れについて説明があり、現役パイロットのお話から任務に対する責任感、熱意が直に伝わってきました。何よりも乗客に対して、安心した空の旅を満喫していただくためのきめの細かな配慮が細部にわたってなされていることを知ることができました。講話後の質疑応答では活発な質問がなされ、生徒の目の輝きと波多野様のすてきな笑顔がとても印象的でした。

巨大な整備ハンガーに入ると、定期整備のためB737-800型機など数機が駐機していました。間近に見ると改めて旅客機の大きさに驚かされます。ジェットエンジンは人が立ったまますっぽり入ってしまう大きさ、車輪のタイヤの大きさなど、普段は旅客ターミナルから直接飛行機に乗り込むことが多いため、飛行機の大きさが実感として掴めない中、貴重な経験となりました。整備実習では、エンジンのネジの緩みを抑える為に針金でネジ同士を止める作業があり、その一部を練習しました。熟練になるまで数年かかるとのこと。ネジひとつをとっても安全対策や技術が使われており、私たちの命が支えられていることを改めて実感しました。さらに、フライトシミュレーター施設を見学し、パイロットの操縦技術を維持するための定期飛行訓練や技能審査が頻繁に行われていることを知りました。

午後からは客室乗務に関する実習です。客室乗務訓練施設では、まるで学校のように授業が行われていました。外国語の会話講座、接客マナーなど乗客に安心した空の旅を提供するための重要な任務となるため真剣に取り組む姿が見られました。機内を模したシートに座って乗客となり、一部の生徒が接客の練習に取り組みました。笑顔を絶やさず、優しく的確な動作は実際に行ってみるととても難しいものでした。また、救難訓練施設ではプール側面の機内に乗り込み、ライフジャケットを着用し、飛行機が緊急着水する訓練を体験しました。エンジントラブルによる緊急着水体制に入り、12分後に着水する説明がパイロットからアナウンスされた時の臨場感や着水、脱出に至るまでの時間はとても緊張したものでした。実際にそうならないように祈りたいものです。

第1回講座から第3回講座を通して,飛行機のメカニズムから安全技術,安全対策を学習してきました。飛行機はカッコいい、パイロットやキャビンアテンダントは“すてき”という背景には,実に様々な人たちが私たちの安全を守るためにプロとして日夜研究、訓練、試験、努力を怠ることなく行われていることがひしひしと伝わってきました。何よりも、携わる人たちの空に対する熱意や情熱にすばらしいものを感じました。

その他の2007年度SPP活動報告はSPP・BSSPの紹介ページをご覧ください。

次回SPP講座予告

講座II〔環境〕環境教育講座 
日程:10月18日(木)
場所:ライオン株式会社千葉工場
内容:企業が取り組む環境対策,界面化学について