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2008年度SPP&BSSP講座I〔防災〕第1回講座実施報告

Science Partnership Project & Boyo Special Science Program 2008

テーマ「都市災害における防災技術と私たちの心構え」

第1回講座

7月9日(水)10時~16時

場所

東海大学付属市原望洋高等学校2号館1階生物実験室

「☆自然災害の増大と対策、液状化現象について」

講師

早稲田大学理工学術院 濱田政則教授
濱田研究室大学院生のみなさん

内容

1.「講義」自然災害の増大と対策

2.「実験」液状化現象について
-実験 地震が発生して液状化現象が起きると建物・橋・埋設物はどうなるのか?
-実験 液状化対策にどのような方法があるのか?

3.「プレゼンテーション実習」

2008年度サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(SPP)講座I〔防災〕の第1回講座が本校2号館1階生物実験室で行われました。 

はじめに、早稲田大学理工学術院濱田教授より「自然災害の増大と対策」についてお話がありました。世界とわが国の自然災害の状況、地震災害を軽減するための課題と対策、地盤の液状化発生のメカニズムと対策について高校生にも判りやすく丁寧に説明されました。生徒達は真剣に聞き入り、受講ノートに要点などを記録していきました。特に液状化発生のメカニズムは、本講座の主テーマとなるので興味深いものでした。 

<写真左:濱田先生による講義 写真中央:学生・大学院生より指導を受ける生徒達 写真右:液状化実験>

講義の後はいよいよ実験です。用意した土槽に細かい粒子の珪砂を入れました。水を入れながら、水を沸騰させたときのように、砂をボコボコとかき混ぜるボイリングを行いました。砂の中に手を入れるとはじめはかなりの抵抗感がありますが、やがて抵抗が無くなり、かき混ぜやすくなります。あらかじめ埋設物を置き、砂が沈降して落ち着いた後、事前指導で自分たちの作った模型や橋梁を置き、実際に台車を揺らし、模型地盤を液状化させました。生徒達は、液状化の様子に歓声を上げました。実験時の操作は大学院生が中心に行いました(実は、1週間前に大学院生が本校でしっかりと予備実験をしています)。液状化の現象を確認後、液状化対策についての学習へと進みました。建物に杭を設置する。地盤の水を抜いて水位を下げるなどの工夫を行い、同様の実験を行いました。対策は功を奏して埋設物の浮き上がりや、建物の倒壊はありませんでした。実験を通して、実際の建築物や埋設物への液状化に対する科学技術を学ぶことができました。 

<写真左:地盤固め 写真中央:実験の様子 写真右:プレゼンテーション実習>

最後に、恒例のプレゼンテーション実習。グループ毎に講座を通して学んだ事、すごいと思ったことなどをホワイトボードにまとめ発表を行いました。濱田先生よりご講評をいただき、また、自然災害軽減のための公助・共助・自助の輪への技術者の参画についてお話をいただきました。 

本校実施ではじめての集合写真を撮って、本講座を終了しました。液状化をテーマに都市災害における対策と科学技術について密度ある学習が行われました。 

その他のSPP活動報告はSPP・BSSPの紹介ページをご覧ください。

次回SPP講座予告『講座I〔防災〕』

【日程】9月9日(木)
【場所】国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所 首都圏外郭放水路施設
【内容】行政が取り組む防災対策・都市災害対策と科学技術
【講師】土木学会教育企画・人材育成委員会 末武義崇先生 

<写真左:濱田研究室のみなさん(入念な予備実験) 写真右:濱田先生と大学院生を囲んで恒例の集合写真>