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2008年度SPP&BSSP講座I〔防災〕第3回講座実施報告

Science Partnership Project & Boyo Special Science Program 2008

テーマ「都市災害における防災技術と私たちの心構え」

第3回講座

10月6日(月)9時00分~16時30分

場所

東京湾アクアライン海ほたる、清水建設株式会社技術研究所

「企業が取り組む防災対策、建設技術について」

講師

東京湾アクアライン管理事務所 所長 田中薫 氏
清水建設株式会社技術研究所 安全安心技術センター免制震グループ 中村豊 氏
土木学会教育企画・人材育成委員会生涯学習小委員会 末武義崇 氏 (足利工業大学教授)

内容

1.東京湾アクアライン海ほたる
 1)NEXCO概要説明、海ほたるについて
 2)床板下トンネル・避難路見学、消防隊突入路、消防車車庫見学
 3)質疑応答

2.清水建設(株)技術研究所
 1)技術研究所紹介
 2)施設見学(免震建物、ビオトープ、風洞実験棟、振動実験棟、大型実験棟)
 3) グループディスカッション、プレゼンテーション実習

2008年度サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(SPP)講座Ⅰ〔防災〕の第3回講座が東京湾アクアライン海ほたる、清水建設(株)技術研究所(江東区越中島)で行われました。 

午前は、海ほたるでの実習です。はじめに、田中所長からNEXCO東日本、アクアラインについて説明を受けた後、海面下にある避難路トンネルに向かいました。避難路に入る扉では、風が強く体に当たります。これは、高速道路上で火災が発生した際に、煙が避難路に伝わらないよう管理用道路トンネル内の圧力を高くしているためです。車一台分が通れる管理道路用トンネルが上下線それぞれ1本走っています。その上は一般自動車が通過する高速道路で、車両が通過する毎に音が響き、道路の真下にいることが実感として伝わってきました。生徒達は、避難用スロープや管理消防用進入スロープに登り、非難口扉から通過する車両を間近に見るなど貴重な体験をしました。災害時の避難対策や消防体制など直接現地で学習することで、私たちの安全を確保するための最先端の防災システムと土木技術が使われていることを知り、観光地としての海ほたるとは違った一面を見ることができました。 

午後からは清水建設(株)技術研究所において、建設技術から最先端の防災技術を学習しました。清水建設は、ランドマークタワー、東京湾アクアラインなど著名な建設物に多く携わっている代表的な企業です。技術研究所では、安全で安心な建物をつくることを目標に、制震技術や建築施工技術、土木施工技術など建物に関する最先端の技術開発を行っている所です。ここでは、企業における科学教育のひとつとして「シミズ・オープン・アカデミー」のプログラムに従って実習を行いました。テクニカルツアーとして「安全・安心」をテーマに、耐震・免震・制震について講義を受けた後、実際の研究・実験施設を見学しました。特に地震に対する技術は、学習会場である本館の建物にも工夫がなされ、特に積層ゴムを用いた柱頭免震構造や、やじろべえ型免震を適用した建物は圧巻でした。見学後はいつものグループディスカッションとプレゼンテーション実習へと進み、活発な質疑応答が行われていました。都市災害における防災対策を様々な角度から研究開発を行っている企業を訪問し、その技術のすばらしに触れた一日となりました。

その他のSPP活動報告はSPP・BSSPの紹介ページをご覧ください。

次回SPP&BSSP講座予告『講座III〔防災〕』

【日程】10月23日(木)(〔環境〕最終講座)
【場所】東京電力株式会社五井火力発電所
【内容】企業が取り組む環境対策と省エネルギー対策
【講師】 東京電力(株)五井火力発電所環境保安グループ 前川仁知 氏 他