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2008年度SPP講座III〔環境〕第3回講座実施報告

Science Partnership Project & Boyo Special Science Program 2008

【テーマ】「環境保全に関する最先端の科学技術を学ぼう ~住まいの環境対策と水質保全技術~」

第3回講座

10月23日(木)9時~14時15分

場所

東京電力株式会社東事業所五井火力発電所(千葉県市原市) 

「環境保全に関する企業の取り組みと私たち ~水質保全技術~」

講師

環境保安グループの皆様 

内容

1.講義:東京電力環境ハイライト2008
環境基本法と火力発電所における環境対策概要

2.排水処理実験
概要説明
・処理前排水の定量分析(浮遊物質)、排水の凝集沈殿実験
・凝集処理後の排水定量分析および結果の評価

3.構内施設見学 ~徒歩ならびに五井火力マイクロバスにて~

4.プレゼンテーション実習 

2008年度サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(SPP)講座III〔環境〕の第3回講座が東京電力(株)五井火力発電所ゲストハウスで行われました。

市原市は京葉工業地帯の一角を担い、最先端の科学技術を駆使した工場が東京湾側を埋めています。市内主流河川の養老川河口に東京電力(株)五井火力発電所はあります。東京電力と環境教育講座を連携して3回目の実施となります。本講座では、企業が取り組む環境保全技術をテーマに、水質保全対策技術を中心に学習しています。電力会社特有の電気をつくるイメージとは異なり、環境技術に常に細心の対策を施し、環境保全技術の向上に全力を注いでいる企業の一つなのです。 

はじめに、電力会社が取り組む環境対策を映像や資料を見ながら学習しました。火力発電所の燃料は、天然ガスを用い、ガスを燃焼させて発生する水蒸気によって巨大なタービンを回転させて電力をつくり出しています。以前は、石油を用いた火力発電でしたが、千葉県側の複数の東京電力はすべて天然ガスを使用しているそうです。水蒸気を得るため、海水等の水を多く利用します。当然、配管等を通る過程で水が汚染されてきます。そのまま海に放流すことはできないので、排水処理の技術が必要となるのです。 

講義の後は、排水処理技術の基礎となる凝集沈殿に関する実験です。ちょうど3年生理系クラスはコロイドを学習した直後でしたので、まさしく活きた現場教育となりました。生徒達は真剣に実験に取り組み、スタッフの方とディスカッションをする場面もあり、SPPに参加する生徒の成長もうかがえました。 

実験の合間を縫って、マイクロバスで施設見学を行いました。馴染みのあるTEPCOマークの入ったヘルメットを着用することで、電力会社に来ている実感がより高まりました。 

午後から、実験結果のまとめと恒例のプレゼンテーション実習を行いました。今回のプレゼンは、3つの大テーマを与えられ、その中の1テーマはさらに4つの小テーマに細分され、グループ毎に小テーマを選択するという方法で行われました。テーマが与えられたことで、グループディスカッションの目標が明確になり、より活発な意見交換が行われました。 

3回にわたるSPP講座III〔環境〕も全過程が終了しました。環境の取り組みや最先端技術を大学、企業という二つの側面から学習しました。大学の研究レベルが向上しても、また、企業が環境対策や省エネルギー対策を一生懸命に行い環境保全に取り組んでも、最後は私たち一人ひとりの環境に対する理解や配慮そして身近にできることを確実に実行することが大切であることを学習しました。 

2008年度のSPP講座もいよいよ最後のテーマ〔食品〕を残すのみとなりました。11月からは講座II〔食品〕がスタートします(3回実施)。まだまだ望洋高校SPPは続きます。 

その他のSPP活動報告はSPP・BSSPの紹介ページをご覧ください。

次回SPP講座予告『講座II〔食品〕』

日時:11月5日(水)
連携機関:東京農業大学短期大学部醸造学科
場所:本校2号館1階 生物実験室
テーマ:日本の食文化と科学技術II ~アルコール発酵技術と私たちの健康~