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2010年度 理科特別講座 SPP実施報告(第9回講座〔環境〕)

Science Partnership Project & Boyo Special Science Program 2010

2010年度 SPP第9回講座〔環境〕
「私たちが考える地球環境VI ~地球観測衛星を利用した画像解析技術~」

日時

9月22日(水)

場所

本校2号館4階PC実習室2

時間

11時00分~15時15分

内容

地球観測衛星画像データ処理について

講師

JAXA筑波宇宙センター宇宙利用ミッション本部
地球観測研究センター(EORC) 大木真人 氏,主任研究員 高橋陪夫 氏
JAXA宇宙教育センター主任 松岡 均 氏,立元 恵 氏

内容

SPP第9回講座は、宇宙科学技術と画像処理技術について学習しました。はじめに「宇宙の視点で考える地球のこと、私たちのこと」と題して,国際宇宙ステーションで活動する宇宙飛行士の様子や宇宙ロケットの歴史、日本が誇るH‐IIAロケットの開発や普段のニュースでは見られない発射の様子など貴重な映像や資料が紹介されました。次に、人工衛星の機能,「みちびき」「きずな」「あかつき」「だいち」など日本が打ち上げた衛星の画像や役割について基礎的な知見を学習しました。今まで本校は、環境問題を工場や大学の研究施設を利用して、企業が取り組む環境対策を軸に地球環境を考えてきました。いわば地上からの視点、宇宙船地球号内部での環境を考察してきました。2010年度の〔環境〕では、宇宙船地球号を外から眺めることから内部の環境を考察することになります。21世紀は、宇宙から地球環境を考える時代に入ったといえます。

昼食後、陸域観測技術衛星“だいち”(ALOS)から送信されてきた衛星画像データを用いて、普段私たちが見慣れている画像に変換する技術を学習しました。画像処理ソフト「Adobe Photoshop CS3」の基本的な操作の流れを確認した後、2009年度のある日の千葉県上空の陸地を撮影した衛星データを用いて処理技術を学習しました。4つの波長帯別に撮影された白黒に近い画像が、色調補正とカラー合成を行うことで鮮やかな房総半島の衛星写真が出来上がりました。生徒達は、望洋高校や自分達の住む地域、京葉工業地帯、九十九里の海岸線など好きな地域を眺めていました。パソコンの基本操作は情報の授業を通じてマスターしており、全員の生徒が比較的スムーズに目的の画像を得ることができました。

今回の実習は、画像を得るまでのソフトの処理が大半を占めましたが、次回は、学習した画像処理テクニックを使って、グループ毎に衛星データを選択して処理し、そのデータを用いて地球環境の変遷を考察します。

次回の第10回講座〔材料〕では、30年前の水準では「ドラえもん」の世界だった夢の技術が、今では当たり前として利用されている科学技術について学習します。

その他のSPP活動報告はSPP・BSSPの紹介ページをご覧ください。

9月は、SPP講座〔材料〕と〔環境〕の2つの講座が交互に展開されます。

次回 SPP講座予告
SPP第10回講座〔材料〕「品質管理と加工技術~未来の科学技術が現実に~」

日付:2010年9月29日(水)
場所:株式会社荏原エリオット
講師:株式会社荏原エリオット人事・総務部 吉尾純子 氏(代表)
内容:企業が取り組む生産性向上や品質管理、CADを用いた図面作成の実習を行います。〔材料〕の最後の講座として総括をグループディスカッション、プレゼンテーションを通して行います。

  • SPP第11回講座〔環境〕10月8日(金)本校にて実施

  • SPP第12回講座〔環境〕11月5日(金)JAXA筑波宇宙センターにて実施