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2011年度 理科特別講座 SPP実施報告(第4回講座〔食品〕)

Science Partnership Project & Boyo Special Science Program 2011

2011年度 SPP第4回講座〔食品〕
「日本の食文化と科学技術Ⅴ ~清涼飲料水の科学技術を解き明かそう~」

日時

6月17日(金)10時30分~16時30分

場所

東海大学湘南キャンパス 研究実験館A・1F応用化学科実験室、17号館高度物性評価施設

テーマ

清涼飲料水の科学

担当

東海大学工学部応用化学科 淺香 隆 教授、秋山 泰伸 教授

内容

SPP〔食品〕第4回講座は、「清涼飲料水の科学」をテーマに、東海大学湘南キャンパス研究実験館A・1F応用化学科実験室、17号館高度物性評価施設にて実験・実習が行われました。

学校を出発してから2時間程で湘南キャンパスに到着した後、研究実験館E館2Fにある応用化学科研究室を見学しながら、A館1Fにある応用化学科実験室に入りました。講座開始にあたっての講師先生や一日の流れの説明がなされた後、17号館にある高度物性評価施設にて分析装置について説明を受けました。核磁気共鳴分析装置や透過型電子顕微鏡など最先端の分析装置を見学しました。自分でこれら装置を使用する場合は認定書が必要であり、現在はサイエンス・マイスター制度が設けられ、分析装置の測定原理や分析技術を学ぶことができることを知りました。午前中たっぷりと施設見学を行い、昼食となりました。

午後からは、清涼飲料水に含まれている成分や物性に関する実験に取り組みました。実験に先立ち、市販の清涼飲料水数種類を用いて、同一銘柄における冷却した飲料水と室温で放置した飲料水とでテイスティングの比較を行いました。同じ飲料水を飲み比べてみると、良く冷却した飲料水よりも室温に放置した飲料水の方が甘いことがわかりましたが、受け留める人によって異なることもわかりました。次に、清涼飲料水中の糖分の定量(%濃度)、飲料水の粘度(mPa・S)、屈折率を求める実験を行いました。コーヒー飲料(有糖、無糖)、ジュース類、お茶系でそれぞれ比較しました。糖度計での測定は、第3回SPP講座において事前学習で実施していましたが、本格的な屈折計での測定ははじめてとなり、レベルの高い分析化学実験となりました。測定後、各班が求めたデータを集約し、そこからどういう傾向が掴めるか、糖度と屈折率、糖度と粘度との関係について考えるポイントが伝えられました。実験結果における考察は学校に持ち帰り、事後学習時にまとめる予定です。

実験をまとめるにあたり、講師の先生方より実験データの意味を読み取ることの大切さ、記録の必需性、取捨選択することの意義、グラフ化することによる可視的な傾向を掴み取るなど研究の心構えが伝えられ、研究・実験系の極意を教わりました。

講義終了後の恒例の集合写真を撮影した後、湘南キャンパスを出発しました。

次回のSPP講座〔食品〕は、第9回講座として9月に実施します。そこでは、清涼飲料水の品質管理、生産管理について学習します。清涼飲料水の科学は中身から製造管理へと視点を移して、先端の科学技術を学習します。また、第5回講座から計3講座にわたり、BSSP講座〔環境〕がスタートします。BSSPとは本校独自の理科特別講座で、今回は東海大学海洋学部ではじめての1泊する講座となります。

その他のSPP活動報告はSPP・BSSPの紹介ページをご覧ください。

次回 SPP講座予告『SPP第5回講座〔環境〕』

日時:2011年8月22日(月)9時~
講師:SPP&BSSP実施担当教員
場所:本校2号館1階生物実験室
内容:第6回講座〔環境〕事前学習