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2011年度 理科特別講座 SPP実施報告(第11回講座〔医療〕)

Science Partnership Project & Boyo Special Science Program 2011

2011年度 SPP第11回講座〔医療〕
「私たちの健康を支える医療技術II ~基礎生命科学と健康医科学の融合~」

日時

9月12日(月)10時30分~16時30分

場所

東海大学湘南キャンパスA館1F生命化学実験室

内容

免疫と生体防御について ~抗体の応用:サンドイッチELISA~ 

講師

東海大学工学部生命化学科 中田 宗宏 教授、TA 同学科学生4名

内容

SPP第11回講座〔医療〕は、基礎生命科学と健康医科学、最先端医療技術をテーマに、ここでは病原体から生体を防御するメカニズムの基礎として、抗体と抗原の関わり合いや、抗原を定量的に測定する方法のひとつであるサンドイッチELISA法を学習しました。

はじめに、中田先生はじめご指導いただく学生さんの紹介からはじまり、その後、免疫や抗原抗体反応に関する基礎事項の確認から授業に入りました。感染症と抗体のはたらきに伴う化学反応の種類や結合特異性など抗原と抗体の反応メカニズムを学習し、それを利用した治療法や検査法、検出試薬が、私達の健康維持や病気の発症、進行の確認など医療関連を中心に用いられていることを教えていただきました。高校生でも理解できるよう、やさしい言葉やイラストを用いての説明でした。講義の後、実験で使用するピペットマンの使い方を練習しました。生化学実験では、μLオーダーの体積の試薬を量り取る事が多くあり、ピペットマンは必需品となります。生徒一人ひとりに用意された実験器具を使って、正確に採取できるよう一生懸命に練習しました。

午後からは、サンドイッチELISA法を用いて、マウス血清中のタンパク質IgGを検出・定量する本格的な実験に入りました。予め抗体を処理したプレートから溶液を吸引することから実験をスタートさせました。水流ポンプを使って慎重に吸引していきました。学生さんのアドバイスを受けながら、マウスIgG標準溶液、マウス血清希釈液、酵素標識抗マウスIgG抗体など聞き慣れない言葉を何とか頭に叩き込み、操作の流れをイメージしながら慎重に実験を進めていきました。何回か実験を繰り返しながら、マウス血清中のIgG濃度を求める検量線を作成するために必要なデータを得ることができました。

データ測定後、グループに分かれて、学生さんの懇切丁寧なご指導を得ながら、実験から得られたデータや講座全体を通して判ったこと、疑問に思ったことなどをホワイトボードにまとめ発表しました。その後、先生より講評をいただきました。

今回の講座を通して、最後まで諦めず実験を進めてデータを出すこと、実験結果が何を意味しているか、考察することの大切さを学びました。また、バイオテクノロジーが医学の基礎研究や医療、医薬分野に大きく貢献していること、実験を通してその一端に触れられたことなど貴重な一日となりました。

次回のSPP講座は、〔医療〕です。第13回講座の事前指導を本校で行います。

その他のSPP活動報告はSPP・BSSPの紹介ページをご覧ください。

次回 SPP講座予告『SPP第12回講座〔医療〕』

日時:2011年10月17日(月)
場所:本校2号館1F生物実験室
内容:健康医科学について