ニュース詳細

2012年度 理科特別講座 SPP&BSSP実施報告(第10回講座〔宇宙〕)

Science Partnership Project & Boyo Special Science Program 2012

2012年度 SPP&BSSP第10回講座〔宇宙〕
「情報通信技術と宇宙科学 ~身近な通信技術が宇宙の謎を解明する~」

日時

第2回 10月19日(金)10時20分~16時30分

場所

JAXA相模原キャンパス

担当

JAXA宇宙物理学研究系助教 朝木義晴 氏
JAXA宇宙教育センター主事 門倉真士 氏

内容

第2回目の講座は、「電波から太陽の表面温度を求めよう」をテーマに、第1回講座で製作したパラボラアンテナを用い、太陽からの電波を受信し、そこから太陽表面の温度を算出する内容です。

本校を7時過ぎに出発し、約2時間半で神奈川県相模原市にあるJAXA相模原キャンパスに到着しました。JAXAとの連携は3年目になりますが、相模原キャンパスは初めての講座となりました。

はじめに、「JAXAについて」、「相模原キャンパスでの研究活動について」の紹介映像を見ました。話題の「はやぶさ」の成果をはじめ、宇宙に関する様々な研究活動が行われていることがわかりました。

続いて、施設屋上にて、第1回講座で製作したパラボラアンテナを用いて太陽や空から注いでくる電波を受信しました。生徒一人ひとりが製作したパラボラアンテナを天体望遠鏡の赤道儀に据え付けて測定を行いました。雲ひとつ無い晴天のもと、秋風が心地よい屋上での活動となりました。次に、BSアンテナを装着して、同様な方法で電波を受信しました。また、電波吸収体でアンテナの受信部を覆い、気温での電波吸収体からの放射電波と、液体窒素に浸して極低温にしたときの放射電波の2つを温度算出時のベースとなるデータとして測定後、太陽からの放射電波と天頂方向の電波を受信して、太陽表面と宇宙の温度に対応する電波を受信しました。

午後からは、太陽表面の温度を算出する作業に入りました。計算に必要な太陽に関する知見を深めた後、絶対温度と電圧の関係のグラフを電波吸収体の放射データを基に方眼紙に描き、温度換算の基本となるグラフを作成しました。更に、太陽の視直径やパラボラアンテナの解像度、ノイズなどを考慮して、最終的に太陽表面の温度を概算で求めました。

その後、施設見学において小惑星探査機「はやぶさ」や「IKAROS」などの科学衛星や科学観測用大気球、衛星打上げロケット「M-V」について詳細な説明を受けました。最後に恒例のグループディスカッション、プレゼンテーションを行い本日の講座を終えました。

BSSP〔宇宙〕の次回講座は、国立天文台三鷹キャンパスに赴き、太陽観測、電波天文学について引き続き学習します。

その他のSPP活動報告はSPP・BSSPの紹介ページをご覧ください。

次回 SPP&BSSP講座予告

SPP&BSSP第11回講座

日時:2012年11月7日(水)11時~16時30分
場所:国立天文台三鷹キャンパス
内容:BSSP〔宇宙〕第3回講座「電波天文学と太陽観測」

SPP&BSSP第12回講座

日時:2012年11月7日(水)13時~16時
場所:本校 1年8組教室
内容:BSSP〔歴史〕第2回講座「放射線の基礎講座」