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2012年度 理科特別講座 SPP&BSSP実施報告(第11回講座〔宇宙〕)

Science Partnership Project & Boyo Special Science Program 2012

2012年度 SPP&BSSP第11回講座〔宇宙〕
「情報通信技術と宇宙科学 ~身近な通信技術が宇宙の謎を解明する~」

日時

第3回 11月7日(水)10時30分~16時30分

場所

国立天文台三鷹キャンパス

担当

国立天文台野辺山太陽電波観測所 下条圭美 氏
東海大学理学部物理学科准教授 北林照幸 氏

内容

第3回目の講座は、「電波天文学から最先端の宇宙を知ろう」をテーマに、電波で知る宇宙の姿について学習しました。国立天文台は、はじめての訪問となります。

本校を7時過ぎに出発し、約2時間半で東京都三鷹市にある三鷹キャンパスに到着しました。

先生方より自己紹介をいただいた後、宇宙天文学に関する講義からスタートしました。「電磁波とは」、「ALMA望遠鏡とは」、「ALMAで探る宇宙」、「電波天文学と我々の生活」について説明を受けました。宇宙から放射される電磁波を波長別に調べることで、星の温度や成分、相対運動など様々な事がわかることを学習しました。「ALMA天文台」に関する説明では、観測のターゲットとして、星の生まれる場所の特定、星の最後の様子、銀河誕生の様子など幅広い観測対象があることが分かりました。最後に、最近の成果について詳細な説明が行われました。

午後からは、施設見学に入りました。秋の心地よい日差しの中、森林浴を満喫しながら、第一赤道儀室、太陽系ウォーキング、天文台歴史館、太陽塔望遠鏡、展示室などを見学しました。日本で最大口径65cmを誇る屈折望遠鏡は焦点距離10mと長く、抜群の存在感を示していました。展示室では、すばる望遠鏡、ALMAなどの模型展示や研究成果などの紹介が行われていました。

見学後、「宇宙の年齢を計算してみよう!」というテーマで、宇宙年齢を計算する実習を行いました。系外宇宙に存在する銀河から放射された水素の電波を受信し、ドップラーシフトを利用して地球から銀河が遠ざかる速度を求めました。さらに、地球からの距離を求め、宇宙年齢を算出しました。pc(パーセク)、分角など聞き慣れない単位が出てきましたが、グループで協力しながら宇宙年齢を求めました。

最後に、グループで結果をまとめ、ホワイトボードにてプレゼンテーションを行いました。宇宙年齢は50億年~300億年と幅のある値が報告されましたが、正しくは、137億年とのことでした。

以上で、BSSP〔宇宙〕の講座は全過程を終了しました。私たちの生活に身近に存在している電波は、携帯電話やデジタル放送などの情報通信技術として注目されがちですが、電波天文学に関連する科学技術は、宇宙の謎を解明する貴重なデータも与えていることを学び取りました。

その他のSPP活動報告はSPP・BSSPの紹介ページをご覧ください。

次回 SPP&BSSP講座予告『SPP&BSSP第13回講座』

日時:2012年11月24日(土)9時~12時
場所:千葉市科学館
内容:BSSP〔歴史〕第3回講座「科学館におけるフィールドワーク実習」