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2012年度 理科特別講座 SPP&BSSP実施報告(第14回講座〔歴史〕)

Science Partnership Project & Boyo Special Science Program 2012

2012年度 SPP&BSSP第14回講座〔歴史〕
「古代の世界を解き明かす科学技術 ~考古学に応用される科学~」

日時

〔歴史〕講座 第4回 12月8日(土)9時30分~16時30分

場所

国立歴史民俗博物館

講師

国立歴史民俗博物館研究部 情報資料研究系

教授

齋藤 努 氏

準教授

坂本 稔 氏

博物館事業課

太田 歩 氏

内容

「歴史を紐解く科学技術 ~科学の目で見る縄文・弥生時代~ 」

内容

〔歴史〕講座の第4回目は、佐倉市にある国立歴史民俗博物館において文理融合型理科特別講座のまとめを行いました。

午前中は、(1)炭素14を用いた年代測定法のための前処理技術、(2)蛍光X線による成分分析技術、(3)フィールドワークを実施するための目標設定を、3グループローテーション形式で実施しました。(1)では、試料を酸・塩基・酸処理によって洗浄し、化学反応によってCを精製していく過程を実際の研究室に赴き学習しました。ここでは、弥生時代に出土した土器に付着した「おこげ」を削ぎ落とす作業を体験しました。また、(2)では、複数ある小判から、本物と思われる小判を蛍光X線分析装置で当てるユニークな実験を行いました。小判の輝き具合、模様、重さなど本物と思った小判を選択し、蛍光X線装置で分析した結果、ほとんどの小判は銅と亜鉛やニッケルが含まれている合金(玩具やレプリカ)であることが瞬時に判明しました。一方、本物に近い小判には、しっかりと金が含まれており、幸運にも数人の生徒が当てることができました。(3)では、縄文時代や弥生時代の生活様式がどのようなものだったかをワークシートにまとめ、これをベースに午後からの調査目標を設定しました。

昼食後、原始・古代(縄文・弥生・律令時代)をまとめた第一展示室でのフィールドワーク実習を行いました。展示室は、旧石器時代から律令国家が成立する時代までをテーマ毎に展示し、縄文土器や弥生時代の金属器、鉾や剣、銅鐸、銅鏡などの数々の品々が展示され、中でも人々の生活の様子を模型で示した青森市三内丸山遺跡の復元家屋は当時の生活様式を想像させてくれる貴重な資料となりました。その後、グループ毎に設定した調査目標に従って得た知見をまとめ、発表を行いました。縄文時代や弥生時代に対する印象や予想が見学前と後では大きく変化していたこと、それらを解明するためには多くの科学技術が貢献していることを改めて感じさせてくれた講座となりました。

以上で、BSSP〔歴史〕の全講座が終了しました。文系・理系と学問を安易に分けてしまうことに慣れている生徒達でしたが、実は文系・理系の境界線は無く、お互いが絡み合いながら物事が明らかになっていることを学ぶ講座となりました。

その他のSPP活動報告はSPP・BSSPの紹介ページをご覧ください。

次回 SPP&BSSP講座予告

日時:2013年1月11日(金)16時00分~17時30分
場所:東海大学付属市原望洋高等学校 2号館1階生物実験室
内容:SPP&BSSP報告書作成実習