ニュース詳細

2013年度 理科特別講座 BSSP実施報告(第2回講座〔歴史〕)

Science Partnership Program & Boyo Special Science Program 2013

2013年度 BSSP講座〔歴史〕第2回講座
「古代の世界を解き明かすサイエンスII~考古学に活用される科学技術~」

日時

11月19日(火)9時00分~16時15分

場所

千葉市科学館

内容

年代測定の基礎&フィールドワーク

講師

千葉市科学館館長 大高一雄氏
千葉市科学館教育普及企画戦略担当 針谷亜希子氏

内容

BSSP〔歴史〕第2回講座は、千葉市科学館での実習です。前回の講座で学習したフィールドワーク実習の続きと、年代測定法の基礎となる元素・同位体・放射線に関した学習を展開しました。

はじめに、大高館長より原子と原子核、質量数、同位体など化学基礎で学習した内容の復習がなされました。続いて、放射線の種類にはα線、β線、γ線の存在や性質、放射性元素の崩壊、半減期の意味など例を交えながら説明を受けました。さらに、古代遺跡などの木材に含まれている炭素の放射性同位体元素の含有率を求めることで木材の年代が推定できることを学びました。

次に、半減期の理解を深めるため、サイコロを用いたユニークな実験が行われました。2つのグループに分かれて、サイコロを原子に見立てて、それぞれのグループで200個のサイコロを床に散らし、「1」の目が出たサイコロを崩壊して安定した原子と見立てて取り除き、残ったサイコロの数を記録していく操作を繰り返し行いました。得られたデータをグラフ化し、サイコロの数が半数の100個になるまでにサイコロを何回散らせば良いかをグラフから求め、方程式から算出した理論値と比較しました。結果は、理論値とほぼ一致する値を得ることができ、半減期の意味を理解する上で貴重な体験となりました。

午後からは、フィールドワーク実習として、「日本科学未来館と千葉市科学館の違いはどこか」について環境を中心に調査学習を展開しました。多くの小学生が来館している中で、高校生も負けずにそれぞれのブースでの体験調査を行い、グループディスカッション、プレゼンテーションを行いました。発表の多くは、それぞれの館での目的が異なることを掴み取っていました。来館者の年齢におけるターゲットが異なること、展示物が体験型・説明型いずれかに主体を置いていること、原理原則・基礎をベースに体験から学び取る展示・先端技術から未来を考えさせる展示など構成の違いがあることなどが挙げられました。続いて、プラネタリウムを見学し、最近話題の「アイソン彗星」に関する知見も得ました。最後に、講師の先生方から講評をいただきました。

生徒たちは、それぞれの館にはテーマやコンセプトに違いがあること、それを読み取る力が大切であること、そのスタンスで様々な科学館・博物館を見学すると違った発見や学習が得られることを学びました。

その他のSPP活動報告はSPP・BSSPの紹介ページをご覧ください。