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2008年度SPP&BSSP 講座III〔環境〕第1回講座実施報告

Science Partnership Project & Boyo Special Science Program 2008

テーマ「環境保全に関する最先端の科学技術を学ぼう ~住まいの環境対策と水質保全技術~」

第1回講座

6月13日(金)13時30分~16時00分

場所

東海大学付属市原望洋高等学校2号館 1階化学実験室

「住まいの環境対策 ~シックハウスを見る~」

講師

東海大学理学部化学科:関根 嘉香准教授
関根研究室 大学院の学生 関口貴粛さん,香取理紗さん

内容

1.「講義」シックハウスの原因,症状,治療法,対策方法,現状について

2.「実験」ホルムアルデヒド検出試薬「比色認識試薬」の合成 ホルムアルデヒド認識結果確認

3.「まとめ」次回講座について

2008年度サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(SPP)講座III〔環境〕の第1回講座が本校化学実験室で行われました。今年度のSPPは,講座I〔防災〕,講座II〔食品〕,講座III〔環境〕の3つのテーマで実施します。講座IIIは,望洋特別講座BSSPとしてスタートしましたが,SPP2次募集で採択され,SPPとして国の教育予算から支援を得て実施することができるようになりました。 

はじめに,関根先生より古代から現代までの建築様式,建築資材の変遷や資材に使われている化学物質について,ゆっくりと丁寧な口調と判りやすいパワーポイントを用いて説明がなされました。さらに,本題のシックハウスの原因や症状,現状について説明され,先生の環境に関する研究目的やテーマも絡めながら具体的な内容へと講義は進みました。続いて,大学院生による実験操作の説明へと続き,いよいよ実験開始となりました。 

当日は,科学技術に興味を抱く市原市内の中学生も一緒に授業に加わりました。本校生徒の1年生から3年生までの参加ですので,当然はじめての化学実験となる生徒も多く,扱う実験器具に戸惑いや不安を感じながらも,先生や大学院生による懇切丁寧でやさしい指導のもと実験が進み,徐々に生徒たちも積極的に実験に加わるようになりました。安全ピペッターの操作,遠沈管,遠心分離など普段の理科実験では体験できない操作が続きましたが,さすがは自然科学に興味を持つ生徒達です。すぐにコツを掴み,目的の比色認識試薬の合成に成功しました。その後,実際にホルムアルデヒドを試薬に加えて反応の有無を確認しました。多くの班でホルムアルデヒドの検知に成功し,その変化の様子をデジタルカメラで撮影し実験結果としました。 

生徒一人ひとりが環境について考える機会を得ながら,その一端に関わる検出試薬を自らの手で合成できたことは,私たちの身近な環境問題を考える良いきっかけとなった事と思います。これから第2回,第3回と講座が進むに連れ,環境問題に対してより深く学ぶことになります。次回は,東海大学理学部化学科で,より専門的な実験を行います。 

2008年度もサイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(SPP),望洋特別理科講座(BSSP)について報告していきます。本校の充実した理科教育の一端を知っていただきたいと思います。 

その他のSPP活動報告はSPP・BSSPの紹介ページをご覧ください。

次回SPP講座予告『講座III〔環境〕』

【日時】6月25日(水)
【場所】東海大学湘南キャンパスA館2階総合化学実験室
【内容】住まいの空気を健康に:ホルムアルデヒド常温触媒の合成実験